仮歯は調子よかったのに

投稿日:2014年2月25日|カテゴリ:若先生日記

ちゃんとした歯をかぶせたら咬むとなんとなく痛い。
慣れるかなと思って1ヶ月くらい様子みてたら柔らかいものも咬めないくらい痛くてかめない。
などなど
「仮歯は調子よかったのにちゃんとした歯を被せたら咬めない症例」に僕はよく出会います。
ちょっと被せたものを削って噛み合わせを調節しただけで違和感なく咬めるようになる人もいれば
もう一度 歯の根の中からきちんと治療しなおさなければいけないケースもあったりと
治し方は人それぞれです。

僕は歯医者さんなので患者さんの仮歯は自分で作って患者さんの歯に仮にかぶせます。
仮歯は歯医者さんによっては衛生士さんがつくったりするところもありますし、技工士さんがいる歯医者さんだったら技工士さんがつくることもあります。
(僕はたまに歯医者さんのお勉強会みたいなのに行ったりすることがあるのですが、そういうお勉強会でも肝心なところはみんな知りたいからちゃんと見てたりしますが
仮歯のところになると衛生士さんに任せて質問コーナーみたいな流れになっちゃったりしがちなお勉強会ってあるのですが 僕はそういうとき 衛生士さんがつくる仮歯は見せてもらってOKだったら
お願いしてみさせてもらいます。衛生士さんがどういうところに気をつけて仮歯をつくってるかとか普通に質問します。)

「たかが仮歯されど仮歯」僕は「されど仮歯」派なので僕が責任もって「されど仮歯」を作ります。

患者さんの噛み合わせの個性はちゃんとその患者さんを見れる歯医者さんが普通に仮歯を作れば、咬みやすくてバランスがよい状態で咬める形を見極めていくのはあまり難しくなく作ることができると思います。
仮歯なので その日につけた仮歯が割れた とれた なんてことは普通にありますし、仮歯は仮着けするセメントでわざと着けたりしますから はずれるのあたりまえって感じでつけたりもします。

仮歯で調子よく咬めるようになれば ちゃんとした歯をかぶせるものも普通であれば痛みなくかめるはずです。
でもちゃんとした材料の歯 例えば金属の冠(クラウン)であったりブリッジ 詰め物でもそうだし ジルコニアとかメタルボンドとか何かかっこいい名前の冠で被せたりしたら 咬むと痛い
って何なんだ?って話です。

仮歯は材料が柔らかいから咬んでもガツーンってつよく歯の根にかかりにくいし、削って歯の噛み合わせの調節もしやすいです。
しかしちゃんとした材料は長く使うことや「耐久性」なども考えてそれなりにしっかりした硬さもあるわけで歯の根には力がかかりやすいわけです。
だから「仮歯で調子よかったのに症例」は起きたりするわけです。

しつこいですが「たかが仮歯と思われるかも知れませんがされど仮歯です」。
仮歯で調子よいからといってそのままにしておくとマズいのは 仮歯には耐久性がないため 仮歯に穴があいたり割れたりしてこわれてしまい咬めなくなってしまうパターンです。

ソチオリンピック 終わっちゃったけど うーん僕が好きなスキーで言えば世界のTOPレベルの選手が使うスキーの板とかって「選手用」って言って最高のクオリティのものを使っているのですが(使っているだけに)耐久性はあまりないんです。
普通の趣味でスキーやる人がマリオマット本人から選手用のスキー(本当に店にもおいてないレベルの本当の選手用のやつね)の板はいて3日目でたまたまちょっとしたコブすべったらスキーの板曲がって壊れましたは おそらく起きても仕方ないだろう。

モノっていうのは「耐久性」「質」このあたりのバランスを見極めるのが一番難しいわけです。
質は量をこえる(クオリティ over  クオンティティー)です。
よい質のモノを最終的につくってちゃんと使えるレベルになるところを最終的に目指すってところは歯医者でもそうだし、どんなモノをつくる職人さんでもみんな一緒だと思います。

どうしてもこだわりがあって自分でやらないと気がすまない人は 自分でつくればいいんです。
きっと職人さんってみんなそんな人だと思います。ウダウダ言ってる暇あったらとっとと手動かして作っちまえばいいだだろ的な。

僕は手をつかってモノをつくるのは子供のころから好きだから作ります。
失敗しても何度も何度もやりなおして作り直すのも好き。

「仮歯は調子よかった症例」で遠くからわざわざ来院される患者さんとかいらっしゃるので書いてみた。
だ。